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酒と肴@102
7月6日、フィンランド・オーランド諸島沖の海中55mに沈んでいた難破船から、シャンパン30本が発見された。フランスのルイ16世(Louis XVI)からロシア皇族への贈り物だった可能性があるという。海水温が摂氏5度程度に保たれ、水圧力がかる暗闇という海底の環境は、天然のワインセラーの役割を果たし、保存状態は完ぺきであった。また、シャンパンのコルクには錨のロゴが入っていたことから、世界5大銘柄の1つに数えられるヴーヴ・クリコではないかと推測された。*現存する世界最古のヴーヴ・クリコは1893年製
8月6日。Veuve Clicquot の最高醸造責任者である Dominique Demarville 氏がテイスティングを行なった。「光が当たると黄金色に輝き、影では灰褐色になる。最初は強烈な甘みが広がるが、だんだん酸味が上回り、口の中が新鮮な感覚で満たされる。」味は醸造時のまま閉じ込められていたようだと評価するも「味はすばらしいが、Veuve Clicquot ではない。」と醸造年度を1800〜1830年代と推定し、結論を出した。*世界最古はロンドンで発見された1825年の Perrier-Jouet。さて、残りのボトルは引き揚の予定は無いが、「荷の法的な持ち主を決定してから、荷主が判断をすべきだろう」と、オーランド諸島の当局者は明言した。